みなさんこんにちは!ククルです!
前回、SEが育児と両立するためにどのように会社で調整していくかをご紹介しました。
今回は、お子さんが生まれる前(ママさんの妊娠判明以降)から3歳くらいまでの、SEパパさんが育児に参加するための働き方及び立ち回り方をご紹介いたします。
ぜひ、ママさんの妊娠が判明するまで若しくは妊娠が判明してからすぐにこの記事をご覧いただき、会社での立ち回り方をご検討いただきたく思います。
前提条件
今回ご紹介する内容の前にSEパパさんのモデルケースを前提として記載しておきます。
- 今回お子さんは一人目とする。
- ママ、パパの実家はそこまで近くなく、スピーディな助けはもらえないものとする。
- ママさんは正社員で、産休育休後もフルタイムで復帰するものとする。
- ママさんは将来的に会社を辞める(パートやより育児に理解のある会社への転職)ものとする。→現状及び将来においてもママさんの方が年収が高い見込みの場合は、パパさんの方が時短になる等の検討もアリです。(私としては、より生涯の世帯年収が高くなるパターンを選択する方が良いという考え方です)
- コロナ禍を考慮し、通常分娩での出産の立ち会いはできないものとする。
- パパさんの所属会社はパパの育児について、実態としてあまり良い印象を持たれてはいないものとする。→現状の日本社会でのパパ育児参加に対するイメージですね。育児に積極的な会社も増えていますが、SE業では現実的に厳しい会社が多いと思っています。
- パパさんの現場でのポジションはチームリーダークラスとする。(PMでもなく作業者でもない中間ポジション)
- パパさんの現場は準委任契約のプロジェクトとする。
概要
詳細に入る前に、育児参加するための大きな戦略を記載いたします。
以下の流れを前提に、それぞれの時間軸で立ち回るようにしてください。
- お子さんの誕生後、お子さんが1歳になるまでパパさんも育児休業を取得する。(最低半年〜1年)
- 育児休業復帰後、現状ある有給休暇日数は全てお子さんの育児のために使用するために貯めておく。
- 育児とSE業の両立が難しい及び今後の昇格昇給に響くような場合に転職をする前提でスキルアップをしておく。
ママさんの妊娠判明〜産休開始まで
ママさんの妊娠おめでとうございます。
お子さんが生まれる喜びや不安等、さまざまなことを考えなければなりませんが、この時期の動きで今後の育児の難易度がガラッと変わるので注意しましょう。
1.出産予定日と、現場の10ヶ月後の開発スケジュールを照らし合わせ、出産予定日前後のプロジェクト内でのご自身の立ち位置を確認しておく。
ママさんの妊娠が分かってからまず真っ先にやることはこれです。
今回は特に、パパさんの現場でのポジションを「チームリーダー」としています。
それぞれの開発プロジェクトで変わると思いますが、10ヶ月後となると、それなりに大きな開発案件が走っていることが多いと思います。
法改正や定期レベルアップ対応であれば定型化されているのでまだ良いとは思いますが、AWSやAzureのPaaS化SaaS化案件等、新規の大型プロジェクトとなるとご自身の立ち位置が今後の立ち回りでもとても重要となります。
そのような「抜けたくても抜けられない状況」に巻き込まれるリスクがあるかは真っ先に確認しておきましょう。
2.出産と同時に育児休業を取得する前提でご自身のタスクをスムーズに引き継げるよう、引き継ぎ資料を作成しておく。
次はこちら。
実際に育児休業を取得するかは別にして、ママさんの出産と同時にいなくなっても良いようにご自身のタスクの棚卸しと、ご自身しか知らない作業の引き継ぎ資料を作成しておきましょう。
昨今のコロナ禍で立ち会い出産ができない場合が多いため、ママさんの出産により仕事中に突然飛んで帰るなんてことはない可能性が高いですが、それでも突然ママさんの元に飛んでいくことはないことはないと思うので、これを機に引き継ぎ資料を作成しておくと便利です。
結果的に育児休業を取得しなかったとしても、これを行って実際に配下メンバーに仕事を教えることにより、上長へ後進育成のアピールもできるので結構おすすめです。
3.有給休暇日数は貯めておく。
有給休暇日数は消滅しない程度に貯めておきましょう。
(普段から消化できてない方はすみません…)
どうせお子さんが生まれてからは、お子さんやママさんの看病等でたくさん消化します。その時のため、極力貯めておくようにすることをおすすめします。
ちなみに、保育園に通っているお子さんが保育園をお休みする平均日数は月1.2日程度だそうです。(年次にもよりますが、0歳児クラスの場合の数値です)
仮にお子さんが高熱を出したりして病院に行くと抗生剤を処方されることが多いですし、抗生剤はお腹が緩くなって下痢を起こしやすくなります。
そうなってしまうと熱は下がっていても保育園には預けられないので、結局1度の風邪で2〜3日保育園をお休みする場合も出てきます。
また、看病しているとご自身にも風邪がうつる場合があり、そうなると昨今のコロナ禍では熱が出た時点で出社NGだったりしますし、さらに有休消化が加速します。
私の実体験ですが、それらを合わせて年に20日ほど有休を消化したこともあるので、ご参考にしてみてください。
4.家事は全て完璧にこなせるようにしておく。
ママさんの妊娠判明後、つわりで辛い時期やホルモンバランスの変化でイライラしている時期、パパさんは家庭内で家事を完璧にこなすことを求められます。
普段からできている方は問題ありませんが、今までママさんに頼っていることが多かったパパさんはこれを機に勉強しておきましょう。
お子さんが生まれると嫌でも家事分担をすることになります。今のうちに練習することをおすすめします。
5.(安定期以降)社内外へ、育児の積極的参加をアピールしておく。
安定期以降、上長へママさんの妊娠報告等を行うと思いますが、その際やそれ以降に、育児へ積極的参加を行うことをアピールしておきましょう。
SEという職業柄、現場によっては(特に40代以上などの上の世代は)男は終電まで仕事、育児は二の次という価値観の方も多いことは事実です。
私の実体験にもなりますが、「男が育児って、手伝いでしょう?」とか、「奥さんに任せれば良いじゃん」とか言われることもあります。
実際に夫婦会議の結果、ママさんにお任せしてパパさんは仕事に全力となるなら話は別ですが、この記事をご覧になっている皆様はそんなことになっていないと思います。
そのため、出産前からウザがられない程度には社内外(現場のお客様含め)に育児の積極参加をアピールしておき、「いざとなればいなくなりますけどすみません…」というオーラは出しておきましょう。
ただ、やりすぎると現場に居づらくなったり、上長からの評価に響いたりもするので注意です。
6.(出産と同時に育児休業を取得する場合)出産ギリギリまで残業をしまくり、額面給与を上げておく※できれば
最後にご紹介するのはこちら。
なんで?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、一言で言うと「育児休業給付金の金額に影響するから」です。
育児休業給付金の金額算出には、育児休業突入前の過去6ヶ月間の額面給与の平均額が使用されます。
つまり、残業代がモリモリだったり、定期代が高かったりするとそれも額面の給与に反映されるので、育児休業給付金の貰える額が多くなります。
ただ、これはママさんの理解や実際に残業をするほどの作業があるか等の問題もあるので、できる範囲でやっておくくらいで良いです。
ママさんの産休開始〜出産直後1ヶ月
出産と同時に育児休業を取得する場合、以下の内容はほぼ不要となります。ぜひ今しかないお子さんの成長を見守り、ママさんとの時間も大切にしてください。
まだ育児休業を取得しない場合は、まだまだ注意点、立ち回り方が続きますのでお付き合いください。
1.出産と同時に育児休業を取得しない場合、出産タイミング以降で休むタイミングを把握、調整しておく。
ママさんの出産を機に、場合にもよりますがちょこちょこ休むタイミングが出てきます。代表的なのは以下のタイミングになるかと思います。
- 出生届等の役所手続き
- ママさん、お子さんの退院対応
- お宮参り(休日にやることも多いか)
- 小児医療証等の手続き(お子さんのマイナンバー確定以降に実施)
詳細は以下のサイトを参考にしてみてください。
https://epark.jp/kosodate/enjoylife/k-what-to-do-after-giving-birth_42968/
2.出産後〜育児休業取得までの育児への関わり方について、ママさんと最終確認をしておく。
当たり前ですが出産後、パパさんは働きに出て、ママさんは家でお子さんを見るという状況が発生します。
その際、パパさんが家にいる時間、どのように家事育児に関わっていくかをタスクベースで最終確認をしておいてください。
具体的には
- お子さんが夜泣きをした際にどう立ち回るか(もっというと、そもそもパパさんとママさんが一緒に寝るかというところも含めて)
- パパさんの休日にママさんの休養日を作るか(定期か不定期か)
- 3時間ごとのミルクをどちらがあげるか(○時〜○時はパパ、それ以外はママ等)
等々、あげればキリがありませんが、思いつく限りで話し合ってみてください。
ここで詰め切らないと、出産後の夫婦仲にも関わってくるので結構重要です。
お子さんの月齢1ヶ月〜6ヶ月
ここから本格的にお子さんがいる生活が始動していきます。
育児の生活に少しでも早く慣れ、お子さんの月齢6ヶ月になるまでに育児休業が取得できるように立ち回っていってください。
1.上長に育児休業を取得する旨相談し、引き継ぎ計画を立てる。
便宜上ここに記載していますが、生後半年から1歳になるまでの6ヶ月間育児休業を取得すると決めているのであれば、もっと早い段階で相談、交渉をして問題ありません。
6ヶ月という期間はSEの準委任プロジェクトでは長いです。
おそらく、育児休業取得=その現場からの離任となるので、上長へ根気良く交渉をしましょう。
その際、出産前に作成していた引き継ぎ資料や引き継ぎ計画が役に立つと思います。
ご自身のポジションとしても、上長は逃したくない人材にはなると思いますので、転職するつもりな意気込みで臨みましょう。
2.ママさんと相談した育児タスクについて、変更や調整が必要か確認する。
出産前に確認した育児タスクについて、出産後、実際にママさんが育児をしてみて変わっていることがあると思います。
それを共有し、調整するようにしてください。
仕事風にいうとPDCAサイクルを回すことですね。
育児というのはPDCAサイクルを回すのがとても重要ですし、トライアンドエラーでやっていくことも毎日のようにあります。
それらを確認して、日々微調整していくのが大事です。
3.ママさんにも気を遣いつつ、パパさんも体調管理に努める。
ママさんは3時間おきの母乳、ミルクで大変ですが、パパさんも今が一番きつい時だと思います。
特に上記で「残業しまくれ」と紹介していますし、ここで体が壊れると台無しです。
そうなるくらいなら一転してノー残業を決め込むのも全然アリですし、育児休業取得後の収入が気にならないのであれば時短勤務にしてしまうのも良いかと思います。
お子さんの月齢6ヶ月〜1歳(育児休業終了)
ここではもうお休みに入るので、育児とママさんとの時間に全力を注ぎましょう。
経験者として1点私のアドバイスをすると、生後6ヶ月ごろからお子さんの夜泣き改善をすると良いです。
私がやった方法は、「寝る前にミルクをいっぱいあげた上でパパとお子さんだけで別に寝て、夜泣きをしてもミルクをあげないこと」となります。
生後6ヶ月ごろというのはミルクもたくさん飲める時期で、本来は6時間くらいミルクの間隔が空いても問題ありません。
その中での夜泣きは今までの夜中の授乳に慣れた口寂しさ等が原因となることが多いため、それを矯正するためにもこの荒療治とも取れる方法を実施します。
私の場合はこれを1週間行ったところ夜泣きは改善しました。(お子さんによっては3日ほどで効果が出ることもあるそうです)
この改善方法はパパさんが育児休業を取得しないとなかなかできないと思うので、結構おすすめだったりします。
ちなみに私が遅くとも生後6ヶ月からの育児休業取得を推奨しているのは、この夜泣き改善ができるタイミングだからということもあります。
お子さんの月齢1歳(保育園入園)〜2歳
このタイミングから、育児休業も終了し職場復帰することになると思います。
ママさんも同様に職場復帰すると思いますので、その際の立ち回り方をご紹介します。
1.お子さん、ママさんの看病に備えた有給休暇を全力で使えるようなプロジェクトにアサインしてもらえるよう上長と調整をする。
まずやることはこれです。
流石に育児休業明けでいきなりトラブルプロジェクトに突っ込まれることはないとは思いたいですが、残念ながらそんなパターンもあり得ます。
ちなみに私の先輩も育児休業明けにトラブルプロジェクトに配属され、結果育児と仕事の両立が出来ず精神を病んでしまっています。
そうならないためにも、あらかじめ上長に相談をして、稼働が低めだったり、突発休をしても調整が効きやすかったりするプロジェクト、ポジションをもらえるようにしましょう。
元々がチームリーダークラスであれば、意外とそのようなポジション(管理がメイン)でアサインされることもあり、業務調整はしやすいかもしれません。
とはいえ、ここまで脅しておいてなんですが、ママさんも有給が残っているのであれば交互に休むなどしてある程度育児にも余裕がで始める時期です。そこは家庭内調整も積極的に行っていきましょう。
2.今後2〜3年単位でのキャリアプラン、スキルアップ計画を立てておく。
これまでも独身時代に立てたキャリアプランというものあったかと思いますが、お子さんができるとそのプランも修正しないといけません。
本当は出産前からプラン検討ができれば良いですが、出産後のさまざまな経験から、実態としてできることできないことが見えてこないと難しいと思います。
また、育児休業を通じて仕事への価値観の変化もあると思いますし、それを踏まえてキャリアプランを考え直すのは今かなと私は考えます。
もちろん、2〜3年に限らず10年単位で検討できるならそれも良いです。
ちなみに私の例ですが、このタイミングで今後のSEとしてのキャリアプランと育児をする生活がマッチしなかったため、本格的に転職を決意したりしています。
お子さんの月齢2歳以降
この辺りから、お子さんも保育園に慣れ、意思疎通もできるようになってきて育児が日に日に楽になってくるかと思います。(というか最初の1年が一番きついです…)
もちろん魔のイヤイヤ期というイベントもありますが、それも過ぎればただただ可愛い時期に突入し、家にいる時間がとても楽しく充実したものとなるでしょう。(あくまでも私の感想です)
ママさんにお迎えをお任せする前提にはなりますが、この頃になってくるとある程度残業もできるようになり、自分の時間はほぼなくなるにせよSEとして通常のパフォーマンスは出せるようになると思います。
とはいえ、SEの宿命として突然炎上プロジェクトへ配属となるリスクはずっと孕んでいます。
そうならないように回避をしたり、そうなった時にすぐに逃げられるよう、スキルアップや転職検討は常に頭に入れておくようにしてください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回はパパさんも長期の育児休業を取得する前提での仕事の考え方、立ち回り方をご紹介しました。
また、私が育児休業を取得した際の良かった点などをまとめた記事がありますので、併せてご覧いただけると大変嬉しいです。
それでは!