はじめに
西村和美さんが2002年の「24時間テレビ」チャリティーマラソンで見せた走りは、今なお話題となる「世界記録ワープ」として知られています。
この騒動はネット上で大きな議論を巻き起こし、彼女が100キロマラソン中に驚異的な速度で距離を縮めたとされる部分が特に注目されました。
今回の記事では、この「ワープ」と世界的な競技記録、特に2万メートル競歩の世界記録との比較を行い、その驚異的な速さがいかに非現実的だったのかを見ていきます。
西村和美の「世界記録ワープ」とは?
西村和美さんが挑戦した24時間テレビのマラソンで、事件が起きたのは、番組終盤に差し掛かった午後6時過ぎ。
残り30キロの表示がされていたにもかかわらず、1時間後の午後7時過ぎには、なんと残り10キロにまで迫っていたのです。
これを受けて、ネット上では「西村和美さんが1時間で20キロを走った」という話題が沸騰しました。
特に、夏の暑さの中で、長時間走り続けた状態での1時間20キロというペースは、陸上競技でも異例中の異例。
これが「ワープ」として今なお語り継がれている所以です。
通常のランナーでも、このペースで走ることは困難であり、ネット上では「世界記録を超えたのでは?」という疑念が出るほどでした。
2万メートル競歩の世界記録と比較してみると…
では、この西村和美さんの「1時間で20キロ」というペースが実際にどれほど驚異的だったのか、2万メートル競歩の世界記録と比較してみましょう。
最新の2万メートル競歩の女子世界記録は、オリンピアーダ・イワノワさんが保持している1時間26分52秒3です。
この記録は、世界トップクラスのアスリートが競技専用のトラックで出したものであり、通常の人が達成できるものではありません。
一方、西村和美さんが走ったとされる1時間20キロというペースは、これと比較しても驚異的です。
彼女が走ったとされる条件は、酷暑の中でのマラソンという過酷な環境。
それを考えると、この「ワープ」とされたスピードがどれだけ非現実的であるかが分かります。
つまり、仮に事実だとすれば、競技場でも出し得ないペースで一般道を走ったことになります。
「ワープ」の真相は?
西村和美さんの「世界記録ワープ」は、放送事故や距離の表示ミスが原因とされています。
当時の24時間テレビでは、録画と生放送を織り交ぜながら進行しており、視聴者が見ていた映像がリアルタイムでなかった可能性が高いです。
そのため、1時間で20キロという非現実的なペースが放送されてしまったのです。
また、距離の表示ミスや編集の影響で視聴者が混乱した結果、「世界記録級のペースで走った」と認識される事態となりました。
西村和美さん自身はこの件についてコメントを出しておらず、真相は曖昧なままです。
しかし、この出来事がもたらしたインパクトは大きく、今でもネット上で「ワープ」として語り継がれています。
まとめ
西村和美さんが2002年に「24時間テレビ」で達成したとされる1時間20キロの走行は、女子競歩の世界記録と比較しても驚異的なペースであり、真実であれば陸上競技の歴史に名を刻むほどの偉業です。
しかし、実際には表示ミスや放送事故の影響が強く、これが「世界記録ワープ」として誤解された可能性が高いです。